【公開】アイデザイナーの給料手取りと4つの働き方について。

アイデザイナーの働き方

最近ずっともやもやと自分の中で考えていた事があります。 なかなか普段同じ仕事の人と話すことはないのですが、最近サロカリでマツエクのグループを作るときに同業者の人と話して色んなことを思いました。

マツエク業界でも美容室や他企業と同じようにブラックな会社が増えてきていて、雇用形態に対しての残業や勤務に不満を持っている人が多いということ。なので今日はマツエクのアイデザイナー、アイリストの給料と働き方やお店の違いなどを書いてみることにしました。

そしてフリーランスや面貸しが美容師に比べて少ないということについても。

マツエクの施術者は一般的にはアイリスト、またはアイデザイナーなどと呼ばれます。 美容師と同じく美容師免許が必要。アイリストのほとんどが女性で、美容師を辞めた人やヘアメイクの仕事をしていた人が転職で始めることが多いです。

最近では美容学校でもマツエクの授業が導入されている学校もあり、美容師、ネイリスト、エステティシャンと同じく美容学校卒業、免許取得後の就職の選択肢として選ぶことが出来るようになっています。(マツエクの資格とは?!国家資格の美容師免許があるからこそ出来る仕事

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アイリストの給料と働き方

私はマツエクの施術者として4つの働き方を今まで経験してきています。

①東京・大阪の百貨店内に店舗をもつ大手サロンで正社員

まず始めに働いたのが雇われの正社員雇用で大手の高級サロンで働いていました。

百貨店の中にあるということで、単価は1万円超え。新規の方はクーポン使っても初回来店100本セットで1万円の価格設定。 ちなみに新規100本オフありで予約枠2時間半

美容師を辞めて再就職するときに自分の中で譲れなかった条件が、働きながらモデルさんをしたり、営業後残ってレッスンしなくていいサロン。初めにきっちりと教育を受けれるサロンでした。

転職したのは25歳の時。就職が決まった会社はとても教育と技術がしっかりしていて、入社と同時に研修が1ヶ月半ほどあり、そこでモデルさんを80〜100名程施術します。そして最後筆記と実技のテストに受かれば店舗に勤務し入客となります。

安心・丁寧・自然が売りのサロンで、太いのや長いのつけてバサバサにしたい!みたいなお客さんはお断りに近い状態でした。衛生管理にも厳しく、初めに勤めたサロンがそこで良かったと今でも思います。

お給料は固定給18万+歩合。歩合は個人技術売上、商品売上、指名売上で変動。 固定給は技術のレベルで昇給があります。

入客するようになってからも、社内規定のテストを受けるシステムでした。 個人売上は約100〜120万。私は海外行くのにお金を貯めたいというのもあったので、早出・残業・休日出勤などもしていました。

基本の勤務は月8日休みで9時間拘束。忙しくない日は1時間休憩あり。お給料は歩合がついて手取り20万くらいでした。

美容師をしていた頃から考えると、休みが週2日あって休憩も有って早番の日は19時に帰れる、残業代もつく。 比べると条件は良いです。

…でも残り100万円の売上はどこへ?というところは美容室とは変わらない事情です。 雇われていたときは「吸収されてるな〜」くらいにしか思っていなかったのですが、自分自身で仕事を作ってどうやって集客するかとか、お金の仕組みが少し分かるようになると、とことんフリーランスの方がいいと思うようになりました。

消えた100万円の行方は家賃、会社の別事業の資金、広告費、人件費。 ちなみにヒマな時間はお互いのまつげを付け合ったり、掃除したり、係の作業をしたり、館内でちらし配りしたり。

店長などになると役職手当が付くので手取り20万から数万円プラスになるようです。

ただボーナスがなかったので一般企業に勤めるOLさんなどと比べると年収は同年代の女性よりも低くなります。

②新規オープンの総合サロンでアルバイト

2つ目に働いたサロンは同じく心斎橋にありましたが、1つめのサロンとは違い低価格でつけ放題のサロンでした。

美容室、マツエク、ネイル、エステが入ったトータルビューティーサロンで、スタッフも20人ほどいました。 雇用形態はアルバイト。 時給1000円で10〜12時間勤務 有名広告媒体に広告を出し、新規100本オフあり・カウンセリング込み・2980円・一時間枠。

1つめのサロンが新規100本オフあり・カウンセリング込み・10800円・2時間半枠に比べると時間単価は安く、何より自分自身手を早める必要があったので初めは苦戦しました。

そして前のサロンでは読者モデルさんなど以外一般のお客さんでは140本以上つけることが稀でしたが、2つ目のサロンではMAX200本までのつけ放題がカウンセリング込み・オフあり・4980円です。

スピードが付いてきて時間枠に収まるようになればなるほど、予約件数が増え、間につけ放題が数件入ると疲労感がハンパじゃないです。

分かりにくいかもしれませんが、1つめのサロンで2時間半の枠で取っていた技術を30分縮めて倍の仕事をして料金は半額です。

私はバイト勤務だったので、商品と指名以外歩合はつかないので正直技術売上の値段は関係ありません。

お店が集客できてなくても技術売上が伸びなくても給料は変わらないからです。 でもオープンしたてで値引き率が結構高いサロンで思ったことは、暇な平日とかに予約件数3件とかだと、正直私の日給約1万円より売上下回る日もあって、この店大丈夫かな?と思っていました。

私はワーホリビザが降りるまで3ヶ月契約でそこのサロンを辞めましたが、オープンして1年半後に潰れたそうです。当時働いていたメンバーに聞くと最後お給料の支払いも遅れたりなかった人もいたとか。

立地、値段的にもお店をコロコロ変えたりするお客さんが多く、新規で来店されてもグルー(接着剤)が根本でカチカチに固まってたり、自まつげ同士絡んでる、合体しまくっていて自まつげが抜けて少なくなっててつけ放題で来られても着けれる毛がない。

1つめのサロンとは真逆とも言えるくらいのサロンと客層で、苦戦しましたが自分自身は施術者としてスピード、カウンセリング共に伸びることができた期間だったと思います。

今は時代の流れ的に自然なものを求めるお客様が多いので、低価格のつけ放題でバサバサつけて…というお客様は減っていますが技術のスピードは丁寧で遅いよりも丁寧で早いに越したことは無いのかなと思います。 その後カナダに行き美容室で働く傍らフリーでアイデザイナーを。友達や友達の紹介で休みの日や仕事後にお小遣い稼ぎをしていました。 そして日本帰国後。

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業務委託と言う名の雇用形態

③業務委託の形態で働き始めて分かったのは俗に言うブラック企業

東京に住み始め旦那と美容室をオープン 関西出身の私は友達もいなければ、前の職場から引っ張ってこれるお客さんなんて一人もいず、場所はあるけどお客さんがいない状態。

そこでパートに行くことに。スピードを落としたくなかったのでパート先にはマツエクサロンを選びました。 求人情報を見て近くのマツエクサロンを選び応募。雇用形態には業務委託と記載されていました。

掲載されていた条件は朝9:30〜19時、11時〜20:30の間で週2〜3日からOK 面接に行って技術チェック後説明を聞いていると、給料は時給制、早番勤務の日は掃除からスタート。週5日は勤務。 その時ふと疑問に思ったのですが、業務委託のイメージって自分で出勤日数や時間選べて出来高制じゃないの??って。

自分のお店でお客さんを獲得していきたかったので、その時の私には正社員みたいに長時間、週休2日の勤務は無理。お給料の形態よりも勤務時間が気になったので、「それなら結構です。1日6時間で週2日じゃないと働けません」とお伝え。

結果、その条件で採用でシフトもギリギリに半月ごとにしてもらいました。だいぶ特別扱いだったのかもしれないけど、それだけ人手に困っていたのは働き始めてから分かりました。

今までのお店との違いは本数での値段設定ではなく、時間での値段設定。

新規カウンセリング込・1時間80〜120本・4980円・オフ希望ならその分1時間内で着けれる本数は減りますよ。 というサロンでした。

他のサロンと違って時間枠で取ると、早く終わったからちょっと休憩しよ、とかカルテ書こっていうのができない。1時間枠での料金だと丸々1時間お客さんにつきっきりで次、次って感じになります。

その上まつげパーマの施術も行っていましたが、30分以上かかる施術を何故か30分枠で取るので、お客さん掛け持ちもしくは予約のないスタッフは自分のことしようとしても手を取られます。

押してるスタッフのお会計や案内の手伝いなども。 業務委託で時給制で1時間休憩で引かれてますが、15分以上休憩出来たことはありませんでした。 ちなみに時給1000円。業務委託なので、お給料の計算も自分で書類を書いて最終日に提出。材料費も引かれました。休憩してないのに引かれるし、残業しても手当つかないし、お金の面では今までの会社で1番最悪でした。(私の勤めた会社がそうだっただけで、他の業務委託は違うところもたくさんあります)

スタッフは8人。ネイリスト3人、アイデザイナー5人でした。私を含めパートは2人。残りの6人のうち正社員は2人。店長も業務委託の形態でしたが、残りの6人の働き方は委託も正社員も全く変わりがない。

働いててすごく不思議に思いました。「不満ないのか?」と。 私は早上がりだったのでラストの締めをすることはありませんでしたが、ラストだとレジが合わない、日報送らないといけない。それを委託が無給でさせられるそうです。

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自分で値段、時間を決める難しさと、できた時間の使い方

その3つ目のサロンで一緒に働いていたスタッフと先日ご飯に行きました。

仕事中は忙しくてなかなか話すこともなかったので、ゆっくり話したのは初めてに近い状態。 話を聞いてると会社の不満ばかりでした。

委託で無給でなぜここまでしなくちゃいけないのか、指名手当も最低で取らなきゃいけない件数自体が多すぎる。彼女は近々お店を辞めることにしたそうですが、残ってるスタッフも辞めたいと言ってる人がほとんどだそうです。

3つめのお店は都内に十数店舗あるのですが、実は私が働いていたときに一度他店舗が営業をボイコットしたことがありました。 店舗数が多いのでヘルプを回したり本社勤務の技術者が行ったりしてカバーしていていましたが、1番迷惑かかるのはお客さんだったと思います。特に指名とか無視してたら。

それだけスタッフが不満を持ってアクションを起こしたり、退職して人手不足になっているのに驚いたことにもうすぐ新店舗が2店舗オープンするそうです。 税金対策としか思えませんでした。

3つ目のお店は働き方がグレイな部分が多いのと、1日6時間拘束されて6000円の給料なら1日1人お客さんを1時間半ほどでして6000円の方が時間に余裕ができるということで、お店でベットを広げてマツエクを始めることにしました。

④アイデザイナーとしてフリーランスに

お店でマツエクを始めたのは去年の6月頃。 初めは広告なども出していませんでした。一度小さなマツエクサイトに半年契約で月額7000円程で出してみました。

掲載料の元はすぐ取れたけどリピーターになる人も少ないしなによりお店のスタイルに合ってないやと思いやめました。 そこからは自分の出会った人や美容師の方、以前阿佐ヶ谷でやっていた居酒屋で出会ったお客さんや、来てくださった方からの紹介などでお客さんが来てくださってる状態です。

料金形態はこの1年半で2回変えました。 初めの値段設定は60分コースで80〜120本5400円、90分コースで120〜160本6480円というもの。

一人で案内〜お会計までしないといけない、誰も手伝ってくれない状況だと時間できっちり区切れた方がいいかなと思い時間枠での値段設定にしていました。フリーで始めるときに1番悩むのが値段設定だと思います。 正直色んな価格のお店で働きすぎて自分自身混乱している部分もあったし、専門店とか個室じゃないとかの状況考えたら難しいところでした。

マツエクの東京の平均価格が80〜100本5000円ということもあり、60分コースをそこに合わせることに。 が、半年くらい立った頃に気になることが。今も来てくださってる方ほとんどのお客さんとはお話する事が多く、時間を気にして施術するのが少し自分の中でネックになってきていました。 ちょうどその時初めて外部のマツエクの技術講習に行きました。講習は他サロンのアイデザイナーの方と3人で受けたのですが、初対面でそれぞれのお店の料金設定の話に。。

本数設定じゃなく時間で設定してるという話をすると、「辞めたほうがいいよ〜!!」と言われました。つけた本数に見合った値段設定にした方がいい。という意見です。

自分の中でう〜んと悩んでいたタイミングでもあったので、知り合ったその方の一言で変えようと決め、本数での値段設定に変えました。

高円寺まで足を運んでくれるお客さんとせかせかした時間を過ごしたくない。と思い、料金は本数ごと、1時間で終わる方でも今は全員1時間半枠でご予約をお取りしています。

それが今年の2月です。 そういうふうに自分のしたいペースで仕事するのも雇われている時はなかなか難しかったなと思いました。 店舗での価格を100本5400円に設定し、出張マツエクは料金を上げて出張費を高円寺からの交通費に変更。

今年の夏からは働き方を変えて月の半分しか日本にいないので今は、初めての方はご紹介できてくださる方が多いです。

日本にいる間に出来る仕事の時間を増やしたいので、今年の10月には店舗の価格をプラス1000円、出張の価格をプラス2000円に値上げしました。 収入は変動もあり、保証もありませんが時間は確保できます。

以前ブログにも書いた時間を優先する暮らしをしたい思ったのも1つの理由です。(QBハウス系列【Fass】で1年間働いてみて。得たモノと必要になったモノ 前からやりたかった教育という分野で講習をしたりもできています。そして時間が増えるとこんな事も。

雇われていた時はなかなかなかった横の繋がり。同じようにアイデザイナーの知り合いも増えてきました。 以前講習で「料金変えたほうがいいよ!」と言ってくださったアイデザイナーの方と縁あって再会。

色んな事を話してみると、マツエクを時間の席貸しや月間契約で借りれるところがあればいいのにねという話になりました。

美容師には今はもう当たり前の面貸しやシェアサロンですが、まだまだアイデザイナー向けには少ない状態です。そしてそこに飛び込むアイデザイナーも少ないです。

業務委託サロンで働くフリーランス、自分でサロンをオープンしてるどちらかの方は多いですが、面貸しでしてるアイデザイナーさんはなかなか聞きません。女性が多いからなのかな…?

マツエクのシェアサロンみたいなのも増えれば女性がもっと自由に働ける環境になるのになと思います。

マツエクサロンを開業するなら席を増やして人に貸すのも1つの方法だと思います。マツエクの施術はベットとワゴンがあれば出来るので、美容室のようにセット面を増やす分シャンプー台を増やさなくて済むのでコストは大分抑えて元もすぐ取れます。

ここに書いた事は色んな経験したから分かること、近い人から初めて合う人など人に出会って聞いた事で勉強になった事。 私はネイル業界のことは分からないけど、きっと同じ様な感じなんだろうな〜と思ったりします。もっと女性が働きやすい環境や選択肢が増える業界になればいいなと思いました。 好きな仕事してるはずなのに、いつの間にかそれが日々の生活のストレスや負担になってしまう前に…

 

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